犬のワクチンについて詳しく理解しておこう

仔犬を飼うと最初に獣医さんへ行く目的はワクチン接種です。

もちろん先生にお任せしてワクチン接種をお願いしてもいいのですが、飼い主さんがある程度の知識を持っていれば毎年の接種の意味と重要性を理解しておく事で、忘れる事なく接種へ通えます。

ワクチン未接種の場合の注意点

ワクチンは数回に分けて接種を行います。すべてのワクチンが終えていな状態はまだまだ抵抗力が低いという事です。この時に注意する事があります。

①人間の衣類や手にも、ウイルスが付着している可能性があります。ワクチン接種が終わるまでは、極力家族意外

の人との接触は避けた方がいいです。

もちろん仔犬に関わる飼い主さんは、自信の手の消毒など注意を払う必要があります。

②人と同様に、他の犬や猫との接触も避けて下さい。

③外は他の犬や猫がした、尿や糞より感染する恐れがあります。

特に抵抗の弱い仔は、感染が早いです。ワクチン接種が終わるまでは外での散歩は控えて下さい。

④既にワンちゃんや猫ちゃんを飼っている場合、仔犬側にも何かしらの病原体がいる可能性もあります。

食器やおもちゃなど、口に触れる物の兼用は2週間ほどは避けて下さい。

ワクチンとは

ワクチン接種の目的は、 毒性を無くした、あるいは毒性を弱めた病原体を、ヒトを始めとする動物の体内にあらかじめ注入することで体内に抗体(病原体を攻撃する防御システム)を作っておき、感染症にかかったときの症状を軽くすることです。

犬に関しては、以下の感染症に対するワクチンが開発されています。

犬用ワクチン
  • 狂犬病
  • イヌ伝染性肝炎
  • コロナウイルス感染症
  • ジステンパー
  • ケンネルコフ
  • パルボウイルス感染症
  • レプトスピラ症

犬に投与するワクチンは「法律で接種を義務づけられたワクチン」と「任意ワクチン」 の2種類に分けられます。

法律で予防接種を義務づけられたワクチンは狂犬病ワクチンです。

任意ワクチンは、犬がかかりやすい病気に対する混合ワクチンです。

狂犬病ワクチンについて

狂犬病予防法により、犬の飼い主には毎年1回の狂犬病予防注射接種が義務付けられています

狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染することで発症する病気です。

人獣共通感染症であり、ヒトを含めたすべての哺乳類が感染します。

世界中におけるこの病気の感染者数は約5万人に及び、そのほとんどが死亡するという極めて恐ろしい病気です。
また致死率がほぼ100%であるこの狂犬病を撲滅させるため、我が国では狂犬病予防法を制定し、飼い犬の登録と年1回の予防接種、放し飼いの禁止、野犬の捕獲、輸出入動物の検疫、 と国をあげての防疫体制をとっており、1957年以降狂犬病の発生はありません。

予防注射接種(ワクチン接種)の時期に関しては、毎年4~6月頃になると飼い犬登録済みの飼い主の元に、葉書などで集団接種の通知が来ます。まだ飼い犬登録をしていない人は市区町村にお問い合わせ下さい。集団接種の機会を逃しても動物病院などで予防注射はできますが、その場合接種済み証明書を保健所などに提出する必要があります。

狂犬病ワクチン接種の料金は、一頭あたり約3,500円です。法律で接種が義務づけられており、違反者には罰則がありますのでご注意ください。

飼い犬登録とは?

「飼い犬登録」とは、生後91日以上の犬の飼い主全てに義務付けられている手続きのことです。

犬が生後91日を過ぎたら動物病院で狂犬病予防注射を受け、「注射済み証明書」をもって30日以内に役所か保健所に行きます。そこで費用を払って飼い犬登録をすると、証明として犬の首輪につける「鑑札」(かんさつ)と「注射済み票」、および玄関に貼る「標識」(ひょうしき)が渡されます。

その他感染症のワクチンと料金について

現在、狂犬病以外の感染症に関しては非常に多くのワクチンが開発されており、その組み合わせによっておおよそ1~11種までに分類されます。

数ある感染症の中でも、特に犬ジステンパーウイルス(CDV)、犬アデノウイルス(CAV)、犬パルボウイルス(CPV)に対するワクチンは、全ての飼い主に受けておいてほしいコアワクチンに指定されています。

なお、2015年に公開された「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」によると5~6種混合ワクチンが5,000~7,500円、8~10種が5,000~10,000円程度となっています。

ワクチン接種のタイミングと回数について

コアワクチンの接種プログラム
  • 生後6~8週に1回目接種
  • その後2~4週間隔で接種
  • 生後16週以降で最終接種
  • 最終接種から6ヶ月後に免疫強化用接種(ブースター)
  • その後は最低3年の間隔を空けて再接種

WSAVAワクチン接種ガイドライン」により引用

犬が予防接種を受ける際は副作用に注意

基本的にワクチンは無害化して使われますが、生体にとって異物であることに違いはありません。

接種後に「副作用・副反応」という形で思わぬ体調不良に陥る可能性は常にあると言えます。

ワクチンの副反応
  • 注射した箇所の副反応:ワクチン注射をした箇所の腫れ、肉芽腫、痛み、脱毛、虚血性病変
  • 全般的な副反応:食欲不振、微熱、リンパ節の腫れ、脳炎、多発神経炎、関節炎、発作、異常行動、脱毛、呼吸の変化
  • アレルギー反応:血小板減少、貧血、皮膚虚血性脈管障害、アナフィラキシーショック
  • 腫瘍化:注射した部位の腫れがワクチン関連性肉腫(悪性腫瘍)に発展する
  • 医原性の副反応:接種量の間違い、接種方法の間違い、まれにワクチンの有毒化

アメリカのAAHA(全米動物病院協会)が公開しているワクチン接種に伴う副反応のリストです。

副作用で一番怖いのは「アナフィラキシーショック」と呼ばれる過激なアレルギー反応です。

体内に入ってきた異物に、免疫が過剰に反応することで起こり、接種10~15分後くらいで呼吸困難、嘔吐、けいれんなどの症状がみられます。

万が一の副作用に備えて、接種後30分は病院内や病院の近くにいるようにしてください。どの副作用も抵抗力の弱い子犬や老犬に起こりやすいので注意をしましょう。