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犬の問題行動は治療が出来るって本当?!

犬の問題行動治療とは、犬の問題行動を動物行動学と獣医療の両面から診察して治療していくことです。

無駄吠えや分離不安、噛み癖など、人と犬が暮らしていく中で起こる問題やストレス行動に対して、犬の行動理論と獣医療の両面からアプローチして治療していくのが「行動治療」なのです。

虐待を受けた犬など人間に対して大きな不安がある犬にも有用とされています。

治療は獣医師と飼い主が協力して行っていく必要があります。

獣医師は飼い主さんの話を元に、問題行動の原因を解明し説明を行い、治療のゴールをお互いに確認し、その犬が実行できる治療方法を提案して実行していくのが獣医師の役割なのです。

そして愛犬への接し方や意識を変え、環境を整えたりといった治療そのものを実践するのが飼い主さんの役割なのです。

これには飼い主さんの毎日の積み重ねと根気が必要になります。

実際にそのような治療でアプローチしていくのか?

●行動療法

これは「犬が怖がっているものに慣らす」「ある状況における犬の行動を人にとって望ましいものに変える」といった学習理論に基づいた治療方法なのです。

この時に、飼い主さんの接し方や関係性、飼育の環境などの改善も同時に行っていきます。

●装着具・外科的療法

これは、避妊・去勢手術の他に、噛み癖のある犬には犬歯を丸く削る、口輪などを着用させます。

犬の問題行動の程度を軽くして治療をしやすくしたり、飼い主さんの安全を確保することが目的なので、根本的な解決にはなりません。

●身体疾患の治療

問題行動の背景に痛みや体調不良があるならば、行動学的な問題に見えても実際には病気が原因による異常行動の場合もあります。

獣医師による適切な検査や診察を行ってもらい、体の異常の治療も行いながら問題行動の改善を目指していきます。

●薬物療法

問題行動が重度であったり、背景にある要因(不安傾向が強かったり、認知症の低下など)を行動治療のみで改善することが困難な時に、抗うつ剤や抗不安薬、サプリメントなどを使用することもあります。

薬物の使用は、行動療法の補助的な使用であることが多いです。

まとめ

このように「行動治療」は飼い主さんと獣医さんが協力して愛犬のために、心身に寄り添いながら、問題行動を解決していく治療なのです。

これは愛犬にとっても飼い主にとっても気の長くなるような治療ですが、これからの幸せな生活を考えると早目の治療が必要です。

まずは、愛犬の問題行動に悩まされているなら獣医さんへ相談してみましょう。


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