仔猫を飼った後

猫のワクチンについて詳しく理解しておこう

仔猫を飼うと最初に獣医さんへ行く目的はワクチン接種です。

もちろん先生にお任せしてワクチン接種をお願いしてもいいのですが、飼い主さんがある程度の知識を持っていれば毎年の接種の意味と重要性を理解しておく事で、忘れる事なく接種へ通えます。

ワクチンとは

ワクチン接種の目的は、 毒性を無くしたか、あるいは毒性を弱めた病原体を、ヒトを始めとする動物の体内にあらかじめ注入することで体内に抗体(病原体を攻撃する防御システム)を作っておき、感染症にかかったときの症状を軽くすることです。

猫に関しては、以下の感染症に対するワクチンが開発されています。

猫用ワクチン
  • 猫エイズウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症
  • 猫白血病ウイルス感染症
  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫クラミジア感染症

もし上記の病気にかかったとしても、あらかじめワクチン接種を行っていれば、猫ちゃんの病気の症状を和らげてあげる事が出来るので、事前の接種はしておきましょう。

発症頻度の高い感染症に関しては非常に多くのワクチンが開発されており、その組み合わせによっておおよそ1~7種までに分類されます。

数ある感染症の中でも特に、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症に対するワクチンは、全ての飼い主に受けておいてほしいコアワクチンに指定されています。

平均的なワクチン代は、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)を含まない混合ワクチンが4,474円、含むものが6,514円程度となっています。

ワクチン接種のタイミングと回数について

コアワクチンの接種プログラム
  • 生後6~8週に1回目接種
  • その後2~4週間隔で接種
  • 生後16週以降で最終接種
  • 最終接種から6ヶ月後に免疫強化用接種(ブースター)
  • その後は1~3年の間隔を空けて再接種

WSAVAワクチン接種ガイドライン」により引用

猫のワクチンの特徴

ブースター(追加接種)以後の接種間隔をどの程度に設定するかは、議論が分かれるそうです。

猫の体質や生育環境によって大きく変動しますが、最終的には「ワクチンによる副作用の危険性が、感染症にかかる危険性よりも十分に低いかどうか」という観点で決定されるとされています。

また猫のコアワクチンは犬の場合と違い、たとえ接種したとしても、期待通りの感染防御能を示さないことがあるります。この傾向は特に、多様な変異種が存在する「猫カリシウイルス」や、強毒種がいる「猫ヘルペスウイルス」において顕著です。

猫が予防接種を受ける際は副作用に注意

ワクチンを受ける前日は、十分に猫の状態を観察しましょう。

食欲がなかったり、下痢をしていたり、何らかの体調不良がある場合はワクチン接種を延期する事をお勧めします。

またワクチンを行う時間帯は午前中に行うと、何かあってもすぐに病院へ駆けつける事ができます。

基本的にワクチンは無害化して使われますが、生体にとって異物であることに違いはありません。

接種後に「副作用・副反応」という形で思わぬ体調不良に陥る可能性は常にあると言えます。

ワクチンの副反応
猫ちゃんはワンちゃんと比べて、ワクチン後に元気がなくなる仔は多いと言われています。
なので、1日程度であれば食欲がなかったり元気がなくなるのは許容範囲と考えて大丈夫です。
水はしっかり摂れるようにして、あとはそっと様子を見てあげましょう。
1日以上経っても症状が変わらないまたは他の症状がある場合は、すぐにかかりつけの獣医へ急ぎましょう。
  • 注射した箇所の副反応:ワクチン注射をした箇所の腫れ、肉芽腫、痛み、脱毛、虚血性病変
  • 嘔吐、顔周辺の浮腫、全身のかゆみ
  • 全般的な副反応:食欲不振、微熱、リンパ節の腫れ、脳炎、多発神経炎、関節炎、発作、異常行動、脱毛、呼吸の変化
  • アレルギー反応:血小板減少、貧血、皮膚虚血性脈管障害、アナフィラキシーショック
  • 腫瘍化:注射した部位の腫れがワクチン関連性肉腫(悪性腫瘍)に発展する
  • 医原性の副反応:接種量の間違い、接種方法の間違い、まれにワクチンの有毒化

他にも、猫ちゃんの様子がいつもと違う場合はすぐに獣医さんへ相談しましょう。

副作用で一番怖いのは「アナフィラキシーショックと呼ばれる過激なアレルギー反応です。

体内に入ってきた異物に、免疫が過剰に反応することで起こり、接種10~15分後くらいで呼吸困難、嘔吐、けいれんなどの症状がみられます。

万が一の副作用に備えて、接種後30分は病院内や病院の近くにいるようにしてください。どの副作用も抵抗力の弱い子猫や老猫に起こりやすいので注意をしましょう。


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